ロルフメソッド
(Structural Integration)について

重力と身体の関係を表すイメージ図

たちの身体は、日常のストレスや生活習慣、怪我や病気の後遺症など、さまざまな要因によって、肉体的にも精神的にも本来のイキイキとした状態を失ってしまいがちです。

ロルフメソッドは、そんな私たちの身体に本来の自由さや伸びやかさ、身体全体としての統一感“を回復させる技法で、1940年代にアメリカの生化学者アイダ P.ロルフ博士によって開発されました。

身体にドラマティックな変化をもたらすその効果と、一時的なものにとどまらない長期にわたって続く身体への影響で知られ、アメリカをはじめとする多くの国々で長年にわたって多くの人々に利用されてきています。

  1. 重力・身体・筋膜
  2. 効果について
  3. 他の治療法との違いは?
  4. こんな方におすすめします
  5. 開発者アイダ・ロルフ博士
  6. 施術の流れ(別ページ)

重力・身体・筋膜

重力と身体?

ロルフメソッドは「地球の重力」の中で、
もっと伸び伸び、イキイキできるよう、段階的な変化を促します。

重力の作用をについてのイメージ図

私たちは地球の重力の場のなかで存在しています。普段はそのことについて殆ど意識することはありませんが、身体は常に一定の重力の影響を受けつづけています。
上から下、地球の中心に向かう重力の方向性に対してどのような状態であるかによって、身体はストレスを感じたり、不安定になったりしますし、逆に軽く感じたり、安定感を増したりします。

Aのように真っ直ぐに立った建物では、重力のおかげで大地が建物の支えとなってくれますが、Bの場合、重力は建物を地面にひき倒そうとする力となります。
人間も同様、身体が重力の方向性に沿ってまとまりがある状態なら、重力は身体を支え、引き上げてくれるものとなります。

重力と身体の関係を示すイメージ図
本来、人間の身体は重力の働きに上手く反応して、大地から支えられ気持ちよく上方に伸びてゆけるように出来ているのです!

でも、もし身体がバラバラでまとまりのない並びだったとしたらどうでしょうか?たとえば、怪我や病気の後遺症、からだの使い方や姿勢の癖などで身体がひどく傾いていたとしたら?


重力の影響は思っている以上に絶大です。
重力は上から下へと身体を「押しつぶす」力となり、そうした自分を支えるために身体は緊張をせざるを得なくなり、また余分なエネルギーが常に費やされることになってしまいます。
また、自分では普通だと思っている姿勢や、身体の使い方(動かし方)の癖などが原因で、重力(自分自身の重さ)と無意識に戦ってしまっていることが多いのです。

不幸な事に一部の人を除いて多くの場合、私たちは重力の力に上手く対応しきれていません。本来の、重力に反応する力は弱まっているか正常には機能できなくなってしまっているのです。

筋膜-姿勢を形作っているもの

筋膜のイメージ図

筋膜とは、筋肉を包んでいる膜状の組織のことです。
筋肉繊維の一本一本、筋肉の束、大きくは皮膚のすぐ下の表層部分で身体全体もくるんでいます。また筋肉のみならず骨格や内臓など全身のさまざまな組織を網の目のように包み込み、お互いを結びつけてもいます。
視点を変えて見ると、人間の身体は筋膜という網の目のような入れ物の中に、すべての臓器(筋肉や骨格や内臓など)が収まっている、とも言えるわけです。 筋膜は偏った姿勢や生活習慣、怪我などさまざまな刺激によって捻じれて萎縮したり分厚くなって固くなったりする性質を持っています。



筋膜のネットワーク図

それは身体が持つ重力の中でバランスを保つための仕組みの一つで、人間が多少の歪みや故障でも建物や機械のようにすぐ倒れてしまうことがないのは、筋膜のネットワークが、あちらを固め、こちらを引っ張りといった具合に、一部に起きた歪みを全身でバランスを取って補う働きを持っているからです。

しかしその状態が長期間続いた場合、全身に行き渡ってしまった歪みは定着し、その人特有のパターン(姿勢の歪みや、身体の使い方の癖、刺激に対する反応のパターンなど)は固定化されてしまいます。 定着してしまった姿勢や歪みは、今度は逆に慢性的なさまざまな不調や痛み、改善することが難しい姿勢や身体の動きの癖などの原因にもなってしまうのです。

筋膜のネットワークに働きかけ、重力との調和を図る

身体と重力の関係を表すイメージ
筋膜は本来、ある程度の流動性を持った柔らかい物質で、固くもなりますが一定の圧力や刺激に反応して変化し、ある程度柔軟性を取り戻すことができます。 つまり、筋膜にうまく働きかけることができれば定着した姿勢を改善したり、痛みや症状を生み出している身体の状況を変えることができるということでもあります。

ロルフメソッドは流動性を失った筋膜のネットワークの固着を解き、重力の中でもっと無理なく自分自身を支えられるようにバランスを整え直すことによって安定性、伸びやかさ、スムーズさを回復させる総合的なシステムです。

『ロルフメソッドの福音とは次のようなものです。
からだが適切に働くようになれば、重力は通り抜けて流れることができます。すると自然に、からだは自分自身を癒すのです。』 Dr.Ida P.Rolf

効果について

重力と調和できるように身体を整えることーその効果はさまざまです。

■痛みみやさまざまな身体症状からの解放、ストレスの緩和
■姿勢の改善や身体の動きの質的な向上

  • 呼吸がより自由で楽になり、身体に軽さ、瑞々しさ、明るさがなどが増しよりエネルギーに満ちたように感じられることでしょう。
  • 身体の構造的なアンバランスによって引き起こされていた身体のストレス状態が緩和されるので、さまざまな身体症状に良い影響をあたえます。(腰痛、肩こり、背中の痛みなど)
  • ロルフィングのビフォアアフター写真
  • エネルギーを必要以上に使うことなく、よりリラックスした状態で、安定して立つことが出来るようになることでしょう。体重がスムーズに足の裏を通って地面に伝わり、また同時に大地から支えられて気持ちよく上に伸びて行ける感覚がよりはっきりしてきます。
  • 動きにおいても、一部の筋肉に頼り過ぎたり、身体の各部分がバラバラでお互いの動きの妨げをしていたりといった状態が改善されていきます。(動きの質的変化)
  • よりまとまりのある統一された身体の使い方ができるようになってくるので、身体の動きはより優雅で調和されたものとなり、機能性も向上します。
  • 施術の影響で、しばしば身長はより高く、猫背などの姿勢の問題も改善され、見た目にもすっきりとした印象に変わります。(実際に数センチ背が高くなったり、ウエストが細くなったりする人もいます)
  • バランスに対する感覚が増し、今までは普通だと思っていた、身体にとって不自然な姿勢や生活習慣に自分自身で気付いて修正しやすくなります。
  • 年齢に伴ない、硬くなり、動かしづらくなってきた身体を動きやすくしたりといったことにも大変役立ちます。
  • (注・すべての人が同じような効果や改善を感じるというわけではありません)

■心理的な影響について

身体のバランスの変化は、精神的なバランスの変化にもつながっています。
ロルフメソッドによる、心理的な効果についてもよく報告されます。ストレスが少なくなった。自分に対して自信が持てるようになった。悩んでいた問題が気にならなくなった等々や、いつのまにか行動のパターンが今までとは少し違ってきた。考え方や行動などの選択肢が広がった感じがする等々です。

身体のバランスが変わり自分の中心をより感じることが出来るようになれば視野も広がり、日常の何気ない行動においても、以前よりバランスを意識して行動できるようになることでしょう。
変化は人それぞれ、さまざまですが、ロルフメソッドのセッションを受けることが自分のからだと心の関係を考えたり、自分のこれまでの生活習慣や行動パターン、心の持ち方などを改めて見なおしたりする、とても良いきっかけとなるにちがいありません。

他の治療法との違いは?

ロルフメソッドには、一般的な治療とは違う特徴がいくつかあります。

■故障を治したり痛みを取る目的で行う「治療」とはちょっと異なります。

ダビンチの身体バランスの図

ロルフメソッドで焦点を当てるのは全身のバランスです。
身体の構造それ自体を重力にもっと適応できるように促すことが、身体のさまざまな不調や痛みを改善したり身体のバランス感覚や機能性を向上させたりすることにつながります。


施術の1回目から、あるいは痛みを作りだしていた偏った姿勢がバランスをとり戻してゆくに伴って、大きな解放感が得られたり慢性的な痛みが無くなってゆくこともしばしば起こりますが、あくまでも目的は全身の統合(全身がバラバラでなくまとまって働けるようにすること)なのです。

(他の治療や自己ケアではなかなか改善しなかった痛み、身体症状にお悩みの方こそどうぞ、お越しください。他では得られなかった変化が得られるかもしれません。)

■歩き方や立ちかた、より楽な身体の動かし方身につけることが出来る。

ロルフメソッドの10回のセッション(施術)は、自分自身のバランスや身体の使い方をもう一度点検、見直してゆく過程でもあります。

ロルフメソッドを受けることで自分のバランスに対する感覚に変化が起こり、より無理のない、痛みを作らない身体の使い方を自然に学んでゆくことができます。自分自身でより良い方向に改善してゆくことも可能となっていきます。

セッションでは併せて行うと良い補助的な体操や呼吸法、歩き方、バランスに対する意識の持ち方などのアドバイスも行われます。

■決まった一定の手順で行われる。

ロルフメソッドでは、全身のバランスを無理なく改善させてゆくために、おおよそあらかじめ決まっている効果的な手順にしたがって施術が進められます。

毎回の施術にはそれぞれ、その回で取り組まれるべきテーマがあり、そのテーマに従って身体が古いパターンを手放して新しいバランスを得てゆけるよう、連続的な働きかけを行ってゆきます。

施術(セッション)は1回約1時間~1時間半、1週間~2週間に1~2回のペースで、合計10回行われ、
第1回目~3回目までは身体の表層の部分、第4回目~7回目までは身体の中心(コア)の部分、第8回目~10回目で身体全体の調整という順番で行われます。


一回だけでも効果は感じられますか?

各回のセッション(施術)のテーマ

第1回胸部、骨盤等の表層部分に働きかけ、呼吸をスムーズにします。
第2回大地にしっかりと立ち、歩く基礎を作るために、足、脚に働きかけます。
第3回身体の両側面への働きかけ。前後のバランスを調整します。
第4回脚の内側面に対しての働きかけ。身体の中心線を伸ばします。
第5回身体の前面への働きかけ。特に腹部の表層と深部のバランスを整えます。
第6回身体の後面への働きかけ。背骨や仙骨の動きを自由にします。
第7回頭が胴体にバランスよく乗るようにするためのセッションです。
第8、9回上半身または下半身全体に働きかけ、総合的にバランスをとります。
第10回全身に働きかけ、身体を一つにまとめます。

■10回の施術が終わった後も、身体の変化は続きます。

ロルフメソッドは10回の施術が終った時点からも、施術の影響によって身体の変化が続いてゆきます。

さらに身体の使い方、意識の持ち方次第で、新しいバランスや動きをより発展させて行くこともできるでしょう。

こんな方におすすめします

ロルフメソッドはどんな人に向いていますか?

身体的、精神的に変えてゆきたい、何とかしたいと思っているすべての方におススメします。長年変らなかった慢性的な身体のつらい状態や、日常の生活の質を改善するとても良いきっかけになります。

■もっと軽くて瑞々しく、自由な身体になりたい。
■姿勢やバランスの問題からくる、慢性的な痛みや不快な症状を何とかしたい。

  • 身体のバランスを基本から変えたい方。
  • 整体やマッサージなどにいくら通ってもすぐに戻ってしまう。
  • 腰や肩、首、背中の痛みなどの不快な症状をなんとかしたい。
  • 最近、以前より身体が動かしづらくなってきた。
  • 怪我や事故の後遺症で身体が動かしづらい。
ロルフィング-もっとイキイキ呼吸がしたい

■もっとイキイキ呼吸がしたい。

  • 呼吸が浅い。息がしづらい。
  • もっと息がしたいのに身体に息が入らない。
  • 姿勢や身体のこわばりのせいで、呼吸に不自由感のある方。
  • ストレスを何とかしたい。

■姿勢や立ち方、歩き方を改善したい。

  • 猫背を直したい。
  • 姿勢をよくしたい。
  • 歩き方がおかしい?楽にきれいに歩きたい。
  • 長時間、立ったり、歩いたりするのがつらい

■スポーツ、ダンス、武道、演劇、音楽などのパフォーマンスを向上させたい。

  • 思う様に身体が動かせない、記録が伸び悩んでいる。
  • ヨガ教室に通っているが、身体が硬くて・・
  • もっと楽に発声ができるようになりたい。

■自分の身体的・精神的な現状を変えてゆきたい。

  • 生活の質を向上させたい。
  • 自分の新しい可能性を開きたい。
  • 楽に伸び伸びと身体を動かしたい。
  • バランス感覚を向上させたい。・・・等々

開発者アイダ・ロルフ博士について

◇ アイダ P.ロルフ博士は1896年、ニューヨークで生れました。1916年にバーナードカレッジを卒業し、また1920年にはコロンビア大学医学部において生化学の博士号を取得しました。

ロルフィング創始者アイダ・ロルフ博士の写真

彼女は若い頃、旅の途中で馬に蹴られたことがきっかけで高熱を出し肺炎のような症状になりました。彼女の担当医は治療の経過に満足せず、オステオパス(整骨療法師)の治療を彼女に受けさせたところ、ようやく呼吸ができるようになりました。

 彼女はその後、それをきっかけにして、「身体の構造がその機能を左右する」というオステオパシーの原理に関心を持つようになりました。

1930年代、彼女は彼女自身と家族の健康問題を解決するためにその10年間を過ごしました。オステオパシー、ホメオパシー、カイロプラクティック、アレクサンダーテクニックや、コゼフスキーの一般意味論等の研究によって多くの発見があり、特にタントラのヨガが彼女に与えた影響には大きかったといわれます。

1940年ころ、怪我でピアノが弾けなくなった音楽教師の腕を回復させたのがきっかけで、助けを求める人達が彼女のもとに押しよせるようになりました。

彼女はさまざまなエクササイズやアイデアを探求した上で使えそうなものは取りいれて、自分の技術を確立させて行きました。「柔組織をあるべき場所に持って行き、正しい動きをさせる」というこのメソッドの最初の原理が生れたのはこのころです。

重要な点は、ロルフメソッドがそれら多くの技術の寄せ集めではなく、ロルフ博士独自の理論の上に成り立つ、彼女のオリジナルの技術であるという事です。彼女には、古今のさまざまなものを理解する能力と、それらを一歩先へと進める才能があったのです。

ロルフ博士は自分のこのメソッドを、Structural Integration(ストラクチュラル・インテグレーション=構造的統合)と名付けました。1950年代初めには、彼女の理論と技術のエッセンスを、「レシピ」と呼ばれる、10回のセッションによって構成されたマニュアルのような形にまとめ、それを生徒たちに教え始めました。

1960年代に入ってゲシュタルトセラピーの創始者、フリッツ・パールズに施術を行なったことがきっかけでエサレン研究所を訪れ、そこで、S.I.の施術者およびインストラクターの教育を行ないました。

ロルフ博士の指示により、徐々に増えてきたS.I. の施術者達によってGuild for Structural Integration(G.S.I.)が結成され、その後コロラド州のボルダーに本拠地を移し、Rolf Institute(ロルフ研究所)と名称を変えました。しかし1989年G.S.I.はRolf Instituteから分離独立し現在に至っています。

現在では世界中に大小さまざまな施術者の養成機関、団体が設立され発展を続けています。(ロルフ博士のこのメソッドは、ロルフィング、ロルフメソッド、ストラクチュラル・インテグレーション等の名称で呼ばれています。)

いくつかの呼び名

ロルフ博士がエサレンで過ごしていた1960時代、このメソッドはロルフィング(...ロルフ式?)というニックネームで呼ばれるようになり、広く世の中に知られるようになりました。(“本名”のStructural Integrationの方はあまり広まりませんでした。…(´_`;)

“Rolfing”は1978年、Rolf Instituteの商標として登録されたため、それ以降は上記のG.S.I.をはじめとする、Rolf Institute以外の養成機関においては、S.I.(Structural Integration)の施術者として、またはその学校独自の名前で施術者の認定が行われています。 (日本では他に、シン・インテグレーション、ヘラーワークなどが知られています。)

同じロルフメソッドなのに色々な呼び名があるのがちょっとわかりにくいのですが、施術者の養成機関、団体によって使用する名称が異なっているということです。(名称や団体の違いで、基本的な内容が変わるわけではありませんが、施術者各々の個性や経験の差、考え方などによってかなり施術スタイルの違いや幅が出てきます。またクライアント(受け手)の状態や、受ける目的によってもアプローチの仕方は色々変わってくるのが普通です。)

ギルド・フォー・ストラクチュラルインテグレーションHP

http://www.rolfguild.org/
http://japan.rolfguild.org/(日本語版)

ロルフメソッドを代表する教育・サービス機関の一つ、Guild For Structural Integration(ギルド・フォー・ストラクチュラルインテグレーション)G.S.I.

  • 日本橋SIセンター

    〒103-0013
    東京都中央区日本橋人形町 1-7-6,HSビル3F

    TEL 03-3639-1390

    アクセス
    ○日比谷線・浅草線「人形町」駅より徒歩3分
    ○半蔵門線「水天宮前」駅より、徒歩3分